プロテインスキマーについて
ゼスト (ZEST) 外掛式プロテインスキマー QQ1(キューキューワン)
プロテインスキマーが重要であることは前項でも述べました。このプロテインスキマー（Protein skimmer）とは、海水魚飼育の特にベルリン式飼育に使用される浄化装置となっています。
プロテインスキマーの基本的な原理は水中に微小な泡を発生させて、その界面に大小いろいろな有機物や細菌などを吸着させることで除去するものです。つまり一種の物理な濾過装置ともいえます。
発泡させる方式には様々なものがあって、以前ではウッドストーンと呼ばれる木材の極めて小さい連続孔に圧力をかけることで微小な泡が容易に得られる木片を用いたものが主流でしたが、最近ではポンプのインペラーの発生する陰圧によるものや、インジェクターと呼ばれる構造物に強い水流を衝突させてできる陰圧によるものなどがあります。
各方式によって発泡させる能力や泡の粒子径が異なりますし、浄化能力にも差があると考えられるので、一部のマニアでは自作も行われているのが実情です。
設置方法も発泡方式によって多様ですが、水槽サンプ水槽の外部に設置する密閉式と、水槽サンプ槽内に直接投げ込む内部式に分かれ、一般的には小型水槽用には内部式が用いられることが多くなっています。
プロテインスキマーという名称の通り、この物理的な濾過装置最大の特徴はタンパク質などの有機物を腐敗する前に除去できることです。今まではタンパク質が腐敗して生じるアンモニアの除去は、従来好気性細菌による硝化や嫌気性細菌による脱窒、海草・海藻の吸収、或いは大量換水という方法に頼るしかなかったのですが、この装置によって水質への負荷が極めて軽減されるようになったのです。